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山笠

水曜日の色


山笠


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父も母も福岡の出身だ。
福岡でも、博多と福岡とに二分されるが、母は博多っ子だ。
母の実家は型染めの染物屋で、私の祖父にあたる、母の父親は三代目だった。

私が生まれて割とすぐに、その母方の祖父は亡くなった。だからその祖父には会ったことが無い。母の母親、私の祖母にも会ったことが無い。その祖母は、母の小学校の入学式の日に亡くなってしまっていたからだ。

母は幼稚園の頃、毎朝、忙しい染物屋の女房である母親の背中に向かって、「母ちゃん、行ってくるね」と言って、出かけていたそうだ。
母には、一番上に兄、その下に四人の姉、そして弟がいた。

博多に住んでいるとなれば、7月には博多祇園山笠がある。
母のもとには、確か、山笠の写真があった。
祖父が、東流の長を務めた時の写真のようだ。母やすぐ上の伯母達もまだ小さく、女の子だけれども法被を着て、その写真に写っていた。
その幼い頃の母は、いかにも末の妹らしい、ちょっとやんちゃな顔付きをしていた。

母親が亡くなった時、中学一年生になる一番上の伯母は、父親に「私が何でもやるから、再婚しないでほしい」と懇願したそうである。
それで、祖父は再婚しなかった。
そして、その伯母は、一番下の妹、私の母の望みは、何でも聞いてあげようと思っていたそうなのである。

91歳のその伯母に会いに行き、また、母の弟、私の叔父にも会った。
染物屋三代目の祖父母の話、四代目を継いだ伯父伯母の話、そして母の話を聞いた。
だんだん、そんな昔話を聞ける機会も少なくなって来ている。

このところ、山笠の頃、祖父母たち、父母の墓参りに、博多を訪れている。

昨年は、初めて、追い山笠ならし、集団山見せ、追い山笠と、舁き山笠を初めて、間近にこの目で見た。
追い山笠ならしには、櫛田神社のすぐ前に陣取って、一番山笠の博多祝い唄を聞いた。母から唄ってもらっていて知っていたその祝い唄に鳥肌が立った。私も共に手を打った。
集団山見せでは、福岡市役所前での、博多手一本が胸に響いた。
追い山笠には、夜明け前の祇園の街角で山笠を待った。
山笠を担ぐ舁き手以外にも、老いも若きも、じいちゃんも孫も、博多の町を駆け抜けて行った。

今年も、博多の町には、飾り山笠が立っている。
追い山のクライマックスに向け、博多の町は熱くなって行く。
若き日の祖父と幼い母の法被姿も、博多の町を駆けて行く。





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by kiyoko_ki | 2017-07-12 16:25 | 水曜日の色 | Comments(2)

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