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ツワブキの花のちらし寿司と水彩画

水曜日の色

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ツワブキの花のちらし寿司と水彩画


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下田に行ったら、ツワブキがまるで屋久島のように明るく元気よく咲いていた。下田の海は青く、日の当たる坂道はぽかぽか陽気で、そんな風景や日差しが、まるで屋久島のようにと私に思わせたのかもしれなかった。

帰って来て何日かして、お昼にちらし寿司を買って来て食べたのだが、ツワブキの花のちらし寿司のことを思い出した。
それは、私が毎日読むのを楽しみにしていた、屋久島の地元のガイドさんの日記のサイトに紹介されてあったのだが、ツワブキの黄色い花びらを散らしたちらし寿司なのだった。

ツワブキは、屋久島の家の周りにもたくさん咲いていて、花びらだって摘み放題だったが、ついにそのちらし寿司を自分で作ってみたことは無かったが、印象深かった。

伊東に越して来て、この秋、食用菊というものを見かけて初めて買ってみた。何年か前に、北の方に住む知人が、食用菊を料理したことを話してくれたことがあったが、自分で料理したのももちろん初めてだった。さっと湯がいて甘酢和えにした。おつな味がした。

ツワブキの花びらだって食べたっていい訳だ。屋久島では、その若葉や若い茎は食材として楽しまれていたのだし。
あんなにたくさん咲いていたのに、惜しいことをしたかもな。
どんな味が、どんな香りがしたことだろう。

ところで、そのガイドさんとは、宮之浦の環境文化村センターでお会いしたことがある。
彼女は水彩画を描く人でもあって、その個展をやっている場にたまたま遭遇したからだ。

彼女の水彩画はけっこう大作だった。
元気いっぱいカラフルで、宇宙を描いているような、はたまた生き物の細胞を描いているような、自由でのびのびした絵だった。
私は体調を崩していた頃で、その当時はそれまでやっていた染め織りもあまり出来なくて、そんな絵を描ける、日に焼けた彼女がとても眩しく、羨ましかった。

彼女の絵を前にして、自分も色を扱うことが好きなこと、ちょっと体調を崩していること、彼女の絵が好ましいこと、その日たまたま彼女の絵を見ることが出来て嬉しいことなど話した。
彼女は玉ねぎの絵も出していて、玉ねぎが芽を出して、それを毎日観察して描いていたら楽しかったことなど話してくれた。その玉ねぎの芽は何処までも何処までも伸びて行きそうで、その絵は生命力に満ちていた。

12、3年前のことだが、彼女はきっと今でも山や川に分け入ってガイドをしているだろうし、うちでは大作の絵も描き続けているだろうなと思う。
そして、ツワブキの花のちらし寿司も作り続けていることだろう。あの屋久島で。






by kiyoko_ki | 2018-11-28 10:33 | 水曜日の色